Satoshi村

   眠狂四郎無頼控(一)

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Update 2013.09.01

眠狂四郎は、ころび伴天連(ばてれん)が大目付の娘を犯して生ませた子という設定です。
伴天連とは、宣教師のことです。
ころび伴天連とは、江戸幕府のキリシタン弾圧・拷問により、信仰を捨てた宣教師のことです。

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タイトル

場所

おもな登場人物

内容

雛の首

水野越前守 上屋敷

金八、武部仙十郎、美保代、水野忠邦

ここが出発点です。 因果のはじまりのスタートです。
夜の暗がりで衝撃的な美保代との出会いとは?
これ以降、雛の首が多くの人を狂わせることになります。 

霧人亭異変
きりすとていいへん

麻布北日ケ窪町、芋洗坂、増上寺、柵原土手

静香、備前屋、室矢醇堂

この後、多くの因果を背負うこになる重要な人物3人との出会いです。
最大の強敵となる備前屋、大奥の医師室矢醇堂、そして切支丹。

隠密の果て

深川の今川町、浅草田町

文字若、備前屋、室矢醇堂、隠密

美保代をかくまってもらうべく、常磐津文字若が登場します。
悪巧みの仕組みも見えてきました。
2人が持つ雛の首は、、、

踊る孤影

渋谷の丘陵、楽水楼

楽水楼老人、静香

母の命日。
眠狂四郎の出生の秘密が明かされます。
母の名は千津。
背筋が寒くなるような生い立ちです。

毒と柔肌

六本木、押上村

備前屋、鷹野、室矢醇堂、静香、喜平太

備前屋と室矢醇堂の悪巧みは更に磨きがかかります。
せむしと呼ばれる異様な男が登場します。
さしずめ、ウルトラQのような。。。

禁苑の怪

八辻原、西丸

武部仙十郎、美保代、志摩、家慶、水野忠邦

江戸城西丸にて幽霊が出るらしい。
幼少の家慶に巡らされた罠とは?
江戸時代だからこそ、あり得るかも?と思ってしまうのでした。

修羅の道

押上村、龍勝寺

空然、静香、喜平太

江戸時代に虫売りがあったとは!
スズムシ、クツワムシ、キリギリス、ホタルなどの虫を捕らえて売っていた住職空然。
宗派はなんですか?と聞かれて、答えに窮する坊さんも珍しいというか、あり得る?

江戸っ子気質

両国広小路、吉原

金八、長谷川主馬、吉五郎

水野忠邦の異母弟の長谷川主馬は思慮浅い粗暴な性格だった。
スリの金八と吉五郎は印籠をするために。。。

悪魔祭

新高橋、大島橋、猿江裏町

立川談亭、美保代、異老人

黒ミサとは悪魔を崇拝する儀式。
裸女の生け贄を悪魔に捧げ、月経の血と精液を混ぜた毒酒をあおって、ありとあらゆる憎悪の呪文をとなえるとあります。
異老人とは誰なのか?

無想正宗

南本所出村、龍勝寺

喜平太、空然

なぜか黒ミサで切り取った蝋人形の首を持ち帰ったのでした。
岡崎五郎入道正宗は、備後国(今の広島県)の刀工。
無想正宗は豊臣秀頼の愛刃だったということです。
二十歳の時に、長崎からの帰途で難破し、瀬戸内海の孤島で剣客と出会います。
この孤島は今の岡山県備前市あたり。 (二)で出てきます。

源氏館の娘

A 相模愛甲郡飯山、源氏館

行商人、仙之助、小乙女

蝋人形の首の秘密とは?
わざわざ相模まで出向いた理由は?
意外な事実を知ることになります。

斬奸状
ざんかんじょう

越前屋敷、浅草入谷

武部仙十郎、守田粂次、姫、文字若

斬奸状とは、斬り殺した理由を書き留めた書のことです。
切った相手の位置を特定し、その距離さから刀ではないと推測した狂四郎は、罠をしかけます。

千両箱異聞

佃町の駿河屋

番頭藤七、八重、村井源十郎

1両で米が2斗(約30キロ)買える世の中だったそうです。
駿河屋の番頭に用心棒として頼まれたのですが。。。

盲目円月殺法

市ヶ谷、楽水楼

美保代、戸田隼人、静香

室矢醇堂を切り、1つの雛の首を奪い取ったのは戸田隼人でした。
2つの雛をはさんで両者の決闘が始まります。
が、静香の思いがけない策が同時進行していたのです。

仇討無情

湯島大聖堂西の桜馬場、菊坂台町の胸突坂、佃島

伊沢鉄之助、千世、矢柄繁七郎、備前屋

父の仇討ちの助太刀として狂四郎にお願いをした鉄之助だったが、母はそのことを快く思わなかったのです。
何か理由がありそうです。

切腹心中

林肥後守の屋敷

小堀藤之進、金八、黒本結の親分、林肥後守、八重

江戸市中夜半過ぎの四害とは?
1.武家の辻斬り、2.物取りの賊、3.酔漢、4.吠えつく犬だそうです。
4.の犬に笑ってしまいました(^^;;;
切腹の作法をご存知か?と問われた狂四郎は、、、

処女侍

富岡八幡の裏の岡場所、土方家屋敷

土方伴五、奥津知太郎、妙、信左右衛門

ひょんなことで斬り合いとなった武士同士が、後日、お互いの家柄の優劣で切腹沙汰になる時代だった?
生首をもって嘆願するというのも当時はあったのでしょうか?

嵐と宿敵

渋谷の丘陵、楽水楼

戸田隼人、子龍平山行蔵、静香、喜平太

亡き母の一番好きな花だった秋海棠(シュウカイドウ)を墓前に供え、突然の雨に2人は急ぎ足で小屋へ。。。
途中、静香は深紅の曼珠沙華(ヒガンバナ)を脳裏に焼き付けるのでした。
 

夜鷹の宿

福井町の横町あたり

鷹野又之丞の妻 お常、弥八

破傷風で痙攣する体を休めるために夜鷹の家に転がり込んだ眠狂四郎でした。
その夜鷹は、かつて備前屋の用心棒だった鷹野の妻でした。
切られた室矢醇堂の屋敷に隠された千両箱のありかを知っているのでは?と弥八に問い詰められて。。。 

因果街道

B 江ノ島の片瀬C 国府津袖ヶ浦D 小田原

三千代、新之助、下条庄一郎

瀬戸内海の一孤島に住む恩師を訪ねようとしたのでしょうか?
東海道を歩いていたのでした。
ある男女のはかりごとの断片を聞いてしまった眠狂四郎は、その行方を見届けようとするのでした。

青字は江戸以外の場所を示しています。
アンダーラインをクリックすると、おおよその場所を中心にしてマップ表示します。
多分、このあたりかなぁ?という予測ですが、正確な位置をご存知の方はお教え下さい。
赤字は意外性と驚愕のストーリィで印象に残ったものです。

眠狂四郎のむごい生い立ちが明らかになり、その無頼と独歩を、そして因果の深さを読者に浸透させることにまんまと成功しています。
近寄ってくる女をその場限りと割り切る様は、しがらみを振り払うがごとしです。
とは言いつつ、美保代のことは常に気になっているようで、静香との関係について、贖罪の旅に出たとも受け取れます。