Satoshi村

   眠狂四郎無頼控(三)

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Update 2013.09.15

 

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タイトル

場所

おもな登場人物

内容・感想など

二人狂四郎

押上村、青山百人町

美保代、左馬右近、静香、仙十郎、白鳥主膳

盲目となった左馬右近は美保代から雛の首を奪うのでした。
気を失った美保代を犯そうとしたのを静止したのは静香でした。
そのことを知らない美保代は。。。
狂四郎はまだ江戸へ戻っていなかったのです。
仙十郎が考えた策とは?

紅の花
べにのはな

柳橋の升屋、北町奉行屋敷

文字若、白鳥主膳、備前屋、仙十郎、姫様

紅(べに)の花とは染料や口紅として利用されたベニバナのことです。
私はこの花が好きです。
備前屋の策略を盗み聞いた文字若は狂四郎へ伝えます。
狂四郎は白鳥主膳の屋敷へ。。。そこで姫様に会うのでした。
そして、、、芭蕉の句で締めくくります。

将軍の微笑

水野忠邦の屋敷

明子(さやこ)、白鳥主膳、仙十郎、文字若、上様、

節句に上様がお成りになる、、、いただいた雛を飾ろうにも首が無い。
どうしたものかと仙十郎は思案するのでした。

「きらいじゃ」と言う明子姫。
私はこの花の香りが好きです。 待ち遠しい春を真っ先に感じることができるからです。
 

湯殿の謎

水野越前守の上屋敷、巣鴨の百花園

仙十郎、静香、公儀庭番、波江、

湯殿で奥女中3人が急死したのでした。
原因を探るように依頼された狂四郎でした。
一方、静香は公儀庭番からとんでもない依頼を受けるのでした。
そして、狂四郎から左馬右近のことを聞かれます。

円月決闘

押上村 龍勝寺

桂宮明子、白鳥主膳

仙十郎の計らいで明子姫をこっそりと狂四郎の元へ連れてきたのでした。
鎌倉の駆け込み寺へ送り届けて欲しいということでした。
皇室には、伏見、有栖川、桂、閑院の四宮家と、その上に摂家(近衛・九条・二条・一条・鷹司)があるそうです。
まったく知らない世界です(^^;;;
そこへ、白鳥主膳が果たし合いにやってきたのです。

尼寺暮色

鎌倉の坂道、A 鎌倉東慶寺

明子、公儀庭番、院代、美保代

公儀庭番の妨害は予測していたことでした。
しかし、狂四郎は深手を負います。
東慶寺で手当をしてもらうはずが、、、思いがけないものを目にします。
驚いた狂四郎が取った行動とは?
鳥肌が立つようなストーリィです!!

悲愁の丘

押上村 龍勝寺、渋谷の小屋

次郎吉、静香

深手を負った狂四郎の元へやってきたのは次郎吉でした。
大阪から戻ってきたのでした。
そこへ、静香が。。。
あの時は曼珠沙華、今回は菜の花。
衝撃的な結末です。
 

地下牢の武士

柳橋の川岸

次郎吉、兵藤掃部、百合枝

地下牢に閉じ込められた狂四郎。
同じように閉じ込められた人がもう一人。
彼には盲目の娘がいたのでした。
なにやら備前屋のたくらみのようです。

次郎吉日和

B 川崎宿 C 梅沢D 箱根湯本E 塔ノ沢

次郎吉、お浅、戸山直二郎

箱根へ病後の湯治に行っている狂四郎を訪ねるところでした。
途中、次郎吉の幼なじみのお浅を見かけます。
どうも忍んでの逢い引きのようです。

恋やくざ

F 小田原G 酒匂川>

政吉、辰造、おさわ、重次

政吉は小田原町代官所で言い渡されたのが、百叩きと重追放でした。
お上の御慈悲ということでしたが、実は殺したと思っていた相手は生きていたのです。
そして、小田原を出る前におさわに会うことにしたのです。

大公方図

世田谷の鎌倉道

吉良源吾、お琴、土方縫殿助

本丸御老中のお犬様は朱塗りの膳にウナギの蒲焼きを召し上がるとか?
番犬の黒丸をかみ殺されたのを見て、源吾は矢を放ちますが、はずれてしまいます。 あろうことか、共の武士の足に命中したのです。 謝罪に行った姉お琴はそのまま帰ってこないのでした。
これとは別に、、、白刃についての説明に驚きました。 刀文、匂い、しのぎ、かさね、ふくら、反り、、、

異端の貌
いたんのかお

浅草稲荷町

お艶、金八、文字若

4人の子どもが殺されたと聞いた狂四郎には、思い当たる人物がありました。
(二)の「切支丹坂」のお艶がここで登場します。
それはあまりにも残酷で痛ましい事件でした。

陰惨と寂寥が入り交じった複雑な思いで読みました。
●私にとって最も衝撃的なストーリィでした。

愛母像

H 大森宿I 鳥見屋敷、A 鎌倉東慶寺

高姫、庭番、網代、明子、美保代

我が子として育てる決心をした狂四郎は、その子と共に東慶寺へ向かっていました。
京から高姫が江戸へ来ていることは知っていたのです。
東慶寺では明子姫と美保代が香道を行ってました。 

義眼文字

佐賀町、J 淀橋K 三重の塔

次郎吉、岩佐栄太郎、備前屋、フォン・エック、百合枝、美保代

十里四方鉄砲改めというのがあり、江戸で鉄砲を所持することは禁じられていたようです。
備前屋を切る!と息巻いていた若い浪人は狂四郎に相談しますが、どこ吹く風と聞き流されてしまいます。
仙十郎が手配してくれた住処を訪れます。
そこには美保代と息子が待っているはずです。

↑ 宝仙寺の三重の塔ですが、元々はここにあったものではないそうです。

白鳥主膳

慶養寺、吾妻橋

白鳥主膳、備前屋、佐兵衛、文字若

辻斬りがはやっていると備前屋から聞かされた白鳥主膳は、生きていたのです。
「ウグイスが春を啼きすぎて死んだ」と言い、「メジロもいい音色のを手に入れました」などと書かれています。 今では野鳥保護法に引っかかります。

疑惑の棺

根岸 御形の松

金八、九左衛門、お千賀、河内山宗俊、勘兵衛

御形の松で掘り返し埋蔵金を確認したあと、、、
通りかかった伊勢屋の棺の中に仏が入ってない?と見抜いた狂四郎は、中を確認すべく金八と葬式へと。。。
何かがおかしい。

おろか妻

不忍池、湯島天神裏の切り通し坂

佐兵衛、千世、仙十郎、美保代、

佐兵衛からの頼みとは?
帰り道、父の敵とねらわれた狂四郎でした。
白鳥主膳との果たし合いを決意した狂四郎を見て、美保代が取った行動は?
「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」の二合半とは、お米を食べてもせいぜい二合半が限界だという意味です。

剣の人々

品川宿本陣、青山百人町

白鳥主膳、久我忠成、松浦静山、男谷精一郎

白鳥主膳と会っていたのは三位権中将でした。
果たし合いの日、狂四郎は水野忠邦と仙十郎へ挨拶へ。。。
その時、我が子が川にはまったという知らせが来ます。

くちなしの一枝を、背の帯へはさんだ。

裸女変心

根津権現の裏手

黒田家江戸家老、須美

叫び声と共に乗り物から転がり出た全裸の女、手足を縛られていたのです。
どうも芝居臭いとにらんだ狂四郎はそのまま相手の筋書き通りに運んだのでした。

おらんだ殺法

高輪大木戸、佃島の住吉神社

須美、諏訪俊吾、琴路、郷左衛門、フォン・エック、

須美を鎌倉東慶寺へ送ろうとしていた時に、諏訪俊吾に会います。
許嫁の琴路はもう既にいないと言うのでした。
フォン・エックとの剣の勝負で5人やられたと。。。

青字は江戸以外の場所を示しています。
アンダーラインをクリックすると、おおよその場所を中心にしてマップ表示します。
多分、このあたりかなぁ?という予測ですが、正確な位置をご存知の方はお教え下さい。
赤字は意外性と驚愕のストーリィで印象に残ったものです。

この(三)はかなりおもしろかったです。
(四)(五)(六)をまだ読んでないのですが、(三)がベストかも?(^^;;;
特に、静香との関係、桂宮明子の登場、白鳥主膳との対決、鎌倉東慶寺の美保代のこと、、、子どものこと
そして、なにより衝撃的だったのは「異端の貌」です。
当時の風評や母親の無知さを笑えない何かがあります。
我が子に対する必死の思いがそうさせたのだと狂四郎に伝わったのでしょう。
はじめて、この虚無の男の双眸から、熱い泪が、、、というのも感動的でした。